大阪高等裁判所 平成10年(ネ)1273号 判決 1998年11月10日
《住所略》
控訴人
柚紡産業株式会社
右代表者代表取締役
柚岡一禎
右訴訟代理人弁護士
松丸正
同
井上洋子
同
池田直樹
同
井上善雄
同
竹橋正明
同
阪口徳雄
同
辻公雄
同
吉田之計
同
中世古裕之
同
岩本朗
同
徳井義幸
同
木村達也
同
津田浩克
同
小田耕平
同
住川和夫
同
國盛隆
大阪市中央区北浜4丁目5番33号
被控訴人
住友商事株式会社
右代表者代表取締役
津浦嵩
右訴訟代理人弁護士
熊谷尚之
同
高島照夫
同
石井教文
同
池口毅
同
佐藤吉浩
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 控訴人
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の平成8年6月27日開催の第128期定時株主総会における原判決別紙総会決議目録一記載の決議を取り消す。
3(一) 主位的請求
被控訴人の平成8年6月27日開催の第128期定時株主総会における原判決別紙総会決議目録二記載の決議が無効であることを確認する。
(二) 予備的請求
被控訴人の右株主総会における右決議を取り消す。
4 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
主文と同旨
第二 事案の概要
本件事案の概要は、原判決の事実及び理由第二 事案の概要(原判決4頁末行から同20頁10行目まで)記載のとおり(ただし、原判決11頁3行目の「本件決議2は、」の次に「退任取締役に対する退職慰労金の支給は株主総会においてこれを定める旨規定した」を加える。)であるから、これを引用する。
第三 当裁判所の判断
一 当裁判所も、控訴人の被控訴人に対する本件各請求は、いずれも理由がないから、棄却すべきであると判断する。その理由は、次のとおり訂正、付加、削除するほか、原判決の事実及び理由第四 争点に対する判断(原判決21頁3行目から同52頁2行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決21頁3行目から同4行目にかけての「検乙二、」を「検乙一の1、2、二の1ないし6、」と改め、同4行目の「原告代表者)」の次に「並びに弁論の全趣旨」を加える。
2 原判決21頁7行目の「同月11日、」を「同年6月11日、」と、同8行目から同9行目にかけての「同年6月14日、」を「同月14日、」とそれぞれ改める。
3 原判決22頁10行目の「(二)(1)」の次に「 被控訴人の株主総会への株主出席者数は例年は150人程度であったが、」を加え、同23頁5行目から同6行目にかけての「これに備えた。」を「、第一会場に334席、第二会場に225席、第三会場に100席及び立見席を用意した。」と改める。
4 原判決27頁6行目の「株主は」の次に「役員株主等を含め475名(代理人を含む。)で、」を加え、同8行目の「4、50名」を「約70名」と改め、同行の「着席していた。」の次に「なお、10階の報道陣用の部屋には約60名のマスコミ関係者が来場した。」を加える。
5 原判決28頁6行目の「中心に」の次に「間髪を入れず」を、同29頁6行目の「あったものの、」の次に「回答終了後直ちに、」をそれぞれ加える。
6 原判決30頁9行目「承認可決した」及び同末行の「承認可決された」の次にそれぞれ「ものと認めた」を加える。
7 原判決32頁9行目の「原告代表者は、」の次に「前記質問後、マイクを係の者に返し、その場に着席して秋山議長の回答を聞いていたところ、」を加える。
8 原判決33頁6行目の「付議したところ、」の次に「直ちに」を加える。
9 原判決34頁6行目の「確認し、」を「宣言したうえ、同日午前10時40分ころ、」と改め、同10行目の「求めたが、」の次に「秋山議長からの指名はなく、」を加える。
10 原判決41頁2行目の「4、50名」を「約70名」と改め、同行から同3行目にかけての「着席していた」の次に「(なお、被控訴人がこれらの従業員株主を他の株主よりも先に入場させて、優先的に株主席の前方に着席させたことを断定するだけの証拠は存しない。)」を、同4行目の「対し、」の次に「間髪を入れず」をそれぞれ加える。
11 原判決41頁末行から同42頁1行目にかけての「会社ひいては株主の利益に合致することであり、」を削除する。
12 原判決43頁3行目の「右従業員株主らの」から同7行目末尾までを「株主総会招集者が、自ら意図する決議を成立させるために、右従業員株主に命じて、役員の発言に呼応して賛成の大声を上げたり、速やかな議事進行を促し、あるいは拍手するなどして、他の一般株主の発言を封殺したり、質問する機会を奪うなど、一般株主の株主権行使を不当に阻害する行為を行わせた場合は、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権の範囲を越え、商法247条1項1号にいう法令に違反し又は決議の方法が著しく不公正な場合に該当するというべきである。」と改める。
13 原判決43頁8行目の「4、50名」を「約70名」と改め、同9行目の「対して、」の次に「間髪を入れず」を加え、同10行目の「議事を進行」を「議事進行に協力」と改める。
14 原判決51頁7行目の「一般株主の」から同8行目末尾までを「他の株主の正当な発言や動議提出などを封殺し、それに乗じて自分らの意図する決議に持ち込もうとしたとまでは認めることができない。」と改める。
15 原判決51頁10行目から同末行にかけての「確認しなかった秋山議長の議事進行は、やや問題があったことは否めないが、」を「確認せず、直ちに賛否を諮ったことについて、秋山議長の議事進行にはいささか性急すぎたなどの不適切な点があったことを指摘しうるが、」と改める。
二 結論
よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法67条1項、61条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 山本矩夫 裁判官 鎌田義勝 裁判官 二本松利忠)